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父の秘密 (2012) Mexico | France <After Lucia> [film reviews]

   母を交通事故で亡くした娘アレハンドラと父ロベルトは、新天地でやり直そうとメキシコシティへ。ロベルトは悲しみから抜けられずにいたが、アレハンドラは新しい学校でクラスメイトにも打ち解けていく。しかしある日、ひとつの事件をきっかけにして激しい虐めの対象となってしまう。虐めはエスカレートしていくが、一人耐え忍ぶアレハンドラ。ロベルトは、そんな娘の異変に気づけない。

   衝撃のメキシコ映画が、日本にもやってきました。第65回カンヌ国際映画祭 "ある視点" 部門グランプリに輝いた今作、キャッチコピーは「狂気は躊躇を知らない」ですが、怖いくらいに言いあてています。フランコ監督の長編映画としては二作目となる今作、ミヒャエル・ハネケ監督の言いようのない閉塞感と焦燥感を感じさせ、得も言われぬ残虐性に満ちています。子供特有の狭い世界は怖い。

   新天地に赴いても、父ロベルトが捨てきれない凶暴性は、思わぬ事件、思わぬ方向に現れます。きっかけは娘アレハンドラですが、彼女が選ぶ道は、父とは対照的に耐え忍ぶことでした。母ルシア(光という意味)の死が、多く二人のその後に影を落としていますが、あえて因果関係を詳しく描かないことで客観性を保ち、誰の身にも起こること、起こっていることだという思いを、抱かせています。

   仲のいい父と娘にみえて、父は死んだ者への想いが強すぎて生きた者の変化に気づけず、娘はそんな父を思いやって真実を打ち明けることができない。そんなボタンの掛けちがいが積もりに積もって、迎えてしまう悲劇に観客はどう向き合ったらいいのか。簡単にはこたえを出させない、重みのある作品です。おすすめ作品ですが、観る際には体力、気力共にフルに備わっている時がいいでしょう。

after-lucia.jpg

◇監督:ミシェル・フランコ 『父の秘密』

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