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おじいちゃんの里帰り (2011) Germany <Almanya - Willkommen in Deutschland> [film reviews]

   60年代の移民政策により、トルコからドイツへ渡ったフセイン。50年が経ち、一家は孫も生まれて大家族になった。ある日、フセインがトルコの故郷に家を買い、家族全員で家のある故郷へ里帰りすると決めてしまう。子供たち、孫たちはそれぞれに悩みも抱え、トルコへの想いも世代によってバラバラだったが、遥か3000キロの旅へと全員を誘うことによって、それぞれの人生を考える。

   今作は、昨年劇場で観た最後の作品になりました。60年代、西ドイツが近隣諸国民を労働力として受け入れ、安定した暮らしに憧れたトルコ人などが多くが海を渡りました。現在のドイツ人口が8200万人程度とされ、うち1600万人程度が移民か外国出身、イスラム系(多くのトルコ人)は400万人程度だそうです。しかしドイツは、移民国家を認めたがらない空気が保守層に強いようです。

   それは政策にも現れており、移民労働者を大量に受け入れた一方、99年に国籍取得条件を緩和するまでは、積極的に移民を国家に統合する政策はおこなわなかったようです。そのことが、今作の主人公フセインのように、50年もの長き間をドイツで暮らしていも、ドイツ文化や生活習慣に全く馴染もうとせず、子供や孫たちへ古きよきトルコの教え、考え方を強要してしまう一因かと思います。

   また、トルコ人という人種がオスマン帝国を築いた祖先がルーツという誇りを持っていることも、別の一因です。トルコで教育を受けたフセインにとって、血を滲む思いをして働いたものの根元の部分でドイツという国家に壁を感じたことと思います。その想いが郷愁を強くし、故郷に家を買い、家族での帰郷へ結びついたことは容易に想像がつきます。しかしその旅は、思いがけない方向へ。

   ファミリーロードムービーと言えば『リトル・ミス・サンシャイン』を思い出しますが、テイストとしては近似していると言えます。ただ、前述した歴史的背景や、フセインをはじめとしたキャラクター創作はあたり前ながら全く異なっており、それが今作の「いい味」となって観客をじわっとさせます。地味ながらいろんな事件が折り重なって、家族の形を作っていく。そんな作品でした。

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◇監督:ヤセミン・サムデレリ 『おじいちゃんの里帰り』

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